2016年も、鮭捕獲の調査部隊に志願し、任命され、現地に赴きました。
実は気が重いのです。
理由は、4年連続、過去4度派遣されるも、一度も鮭を捕獲していないから。
つまり、調査にまったく協力していない、ただの御荷物、愚調査員だからです。
理由は色々あります。言い訳も沢山あります。
過去、女々しくブログに書いています。
しかし、本日は晴天、河川状況も良し、もう言い訳はできない状況です。
鮭捕獲は、5年計画でやると公言していて、今年はその4年目。
今年を逃すともうチャンスは一度きり。黄信号が点灯し始めています。
今回は、タックル類を一新しました。
過去4年間の経験から、隣人との狭い間隔のトラブル回避に対応すべく、
強いロッドに太いラインの選択。
自分のテリトリー内で、短時間に一気にランディング出来るロッドを選択。
人の少ない場所で、のびのびロッドを振り回したいのですが
4年間見ていると、人が少ない=釣れない場所の確率が高いようです。
ルアーは、7g~25gまでの各種スプーンを用意。
現地で目前の状況を見て、タコベイト付きのフックを装着する事に。
スプーンにタコベイトを装着すると、動きや沈みが著しく阻害されるので、
なるだけ小型のタコベイトを用意しました。
フックは、スプーンの大小に合わせて、スイミングフックを3種製作。
ただ、スレを誘発するような、必要以上に大型のフックは御法度です。
故意に鮭をスレで引っかけて引きを楽しむ方法は、もはや釣りとは言えず。
趣味の世界ですから、拘り、ポリシーと言ったものを私は大切にしています。
開始当初、タコベイト使用にも違和感を感じて迷いました。
頑なに拒否してきた経緯があります。けど、郷に入れば郷に従えの諺もあります。
色々考えた挙句、この鮭釣りに限り使用する事に決めました。
もちろん、いい状況ならタコベイトなど外して、本来のスプーンで勝負します。
さて、今回は仲間7人が同じ日に参加出来る事に。それも全員A地区なのです。
これは楽しくなりそうです。
夜中の4時過ぎ、現地に到着。まだまだ真っ暗ですが、多数の車が止まっていて、
管理小屋前には大勢の人が並んでいます。
相変わらず凄いです、皆の熱い思いには圧倒されます。とても勝てません。
仲間全員、受付時間の6時半まで車内で休憩タイムです。
でも、内心は焦ってます。もう20人近く並んでいるようです。
管理小屋の真正面の場所が、最も数が出ていると事前に情報が入ってます。
去年と同じく、釣友のいわなさんも昨日から現地入り。またお会いしました。
6時過ぎ、受付が開始され、案の定、管理小屋の正面の一番人気の場所は、
次々と、アングラーが陣取っていきます。
それも驚くほど狭い間隔で、見ているだけで、息が詰まります。
あの狭い間隔で釣りが楽しめますか? とても私は無理です。
我々も受付けを済ませ、仲間が揃って上流部へ入る事に。
早い人から順に、下流から釣り座を確保していきます。
私は更に上流部に、気になる流れを発見、迷わず入る事にします。
下流には随分離れて、N兄ィが居る程度。貸切です(笑)
これなら、誰にも気兼ねなくロッドを振り回す事が可能です。
組合の監視員の方も遠くにいて、近くには誰も居ません(笑)
7時頃、合図があり鮭調査開始です。気合いが入ります。
第一投、目測を誤り、対岸までスプーンが届いてしまいました。
当然の如く、石に引っ掛かり、いきなりスプーンロスト。
何とも私らしい、実に哀れなスタートです。
でも、付近に誰も居なくて、恥ずかしい場面を見られずに済みました。
釣り開始から暫くすると、監視員の方がここまで歩いてきました。
私にお願いがあると言うのです。
今日の監視員の人数では、こんな上流域まで目が届かないので、
もし鮭を捕獲したら、ストリンガーに掛けて生かしておいて欲しいと。。。
私は、快く承諾しました。監視員も居ないなんて! やり放題(笑)
話ついでに、昨日、この最上流付近の、鮭捕獲数を尋ねると、
その監視員が言うには、大勢この付近を攻めたけど、全然ダメだった言う。
確か2~3本程度で、その鮭も、口に掛っていたか、スレだったのか、
判別出来ないとも。
一気に力が抜けてしまいました。こんな事なら聞かなきゃ良かった!
その後、目前のポイントが、愚ポイントに思えてきて、やる気が薄れてきました。
実は、監視員の言葉通り、まったく鮭の気配がありません。
暫く探ってから、諦め、ダメ元で、更に上流へ向います。
次は小さなポイントですが、ある場所が目に留まりました。
良く観察していると、強い流れの脇の小さな暖流帯に、鮭の気配を察知。
時折背びれが見えるし、鮭の揺らめきが、流れに波紋を生じさせている。
迷わずピュア13gに、極小タコベイトを装着し小さなポケットに投げ込む。
着水させ、少し沈ませて、タコベイトをロッド操作で、ユラユラ上下に動かす。
タコベイト付きスプーンで、リフト&フォールのような動きを演出する。
ロッドに重みが乗る、ヒット! 釣れる時は、何ともあっけない。
サイズは60センチぐらいでしょうか。スレではありません。
口にしっかりルアーを咥え込んでるのが見えます。
それに気が付いた監視員が、急ぎ足でこちらに向かっています。
ただ、サイズの割に、それほど引きは強くはない。ただ重いだけ。
巷で言うほど鮭の引きは強くない? こりゃニゴイと大差ないなぁ~(笑)
あっけなくランディング成功。監視員に見せると、残念だがメスだと言う。
没収。
しかし、一尾釣ってしまえば、後は同じ事の反復継続。最も得意な釣り方です。
調子に乗って、60~70クラスの鮭を短時間で連続ヒット。
あの監視員さんが、私に張り付き、ずっと凝視しています。
監視員は忙しくなりました。その後私は4尾連続でメスを捕獲。
ルール通り、すべて没収です。
オスメス判断出来ぬ個体は、鮭の腹を押して、精子か、卵か出てくるかで判断。
とても仕事熱心な、素晴らしい監視員でした(笑)
そして5尾目、とうとうオスがヒット!
メスとは引きが違い、けっこう楽しめます。。
緊張感が全然湧かないけど、広い場所で気兼ねせず、思う存分楽しみました。
測ると、72センチでした。
ここでスプーンチェンジ。少し重めのコンデックス18gへ変更。
更に反復継続を繰り返すと、再度ヒット、しかし引きの質が違う。
これはスレ掛り、それも背びれに引っ掛かっている。最悪だね。
オスで魚体が大きく、流れも強いので、簡単に寄せられない状況。
流れに乗り、下流に下られると厄介です。案の定、強引に寄せると、
ラインブレイクしてしまいました。
その後、不運にも三連続でスレ掛り、そのうち二尾はメスで、監視員に引き渡し。
残る一尾は、また大きなオスで、再度ラインブレイク。
もうスレは懲り懲りです。取り込みも、いい加減時間がかかるし、嫌になります。
スレは、釣った事にならないし、腕を無駄に疲労させるだけ。
ましてや、これは、本来の鮭のファイトではありません。
本流で、ニゴイや真鯉をスレで掛け、無駄な時間を費やしてるのと同じです。
大きくても、口に掛っていれば獲れますが、背鰭に掛けると最悪です。
少し重いコンデックスを使うと、あの場所ではスレを誘発してしまいます。
更に、スレを強引に寄せようと腕を酷使したため、手首に力も入らない有様。
もう腕も、この場所も潮時かな・・・・
下流を見ると、N兄ィが、大ファイト中。
どうやらN兄ィは、ミノーで掛けたらしい。サイズもメンバーでは本日最高。
これはショッキングな出来事でした。ミノーで釣るなんて・・・・
私も、兄ィに続けとばかりに、ミノーや、スピナーを主体に狙い方を変えてみる。
もちろん、タコベイトは装着せず。
しかし、鮭からの反応は嘘のように消えた。
タコベイトは鮭釣りには必要不可欠なのかなぁ?
トラウト・ルアーマンとしては、あまり面白くないなぁ。
釣りってのは自己満足の世界、人それぞれ大いに拘りを持ってやって欲しい。
色々な考え方があるけど、より難易度が高くて、楽しめる釣り方がいい。
釣れないからと言って、鮭を獲る事だけに徹する行為ほど、ルアーマンとして虚しい事はない。
釣れなきゃ、ボーズで帰ればいいじゃないか。そしてまた来年チャレンジするんだ。
また、ルアー馬鹿ジジィの戯言だけど・・・
昼食後、下流で釣っていたN兄ィは、ルアーを止め、餌釣りに変更。
延竿にサンマの切身を付けて、鮭を釣ると言う。ホント凄い人だと思う。
釣りに関して造詣が深く、何よりそれを実践している。
教えられる事も多く、釣師として、尊敬に値する人物だ。
自分の調査捕獲を中断し、チラチラ見ていると、遂にヒット!
凄いファイトだ! 見ているだけで凄さが判る。
こりゃ病み付きになる釣り方に間違いない。餌釣りもいいものだなぁ。
鮭との素晴らしい駆け引き! ブラボー! 見ているだけで興奮してくる。
延竿で鮭を釣るなんて、ある意味究極の釣り方かも知れないなぁ。
機会があればチャレンジしてみたいな。本当に凄いんだよ。
ちょっと釣れないと、ルアーを捨て、ルアーのフックにサンマの切り身を装着し、
何とも珍妙な仕掛けで、鮭を狙うアングラーも居るようだけど。
私は誇り高きルアーマン、そんな変な釣り方が楽しいとは全然思えないんだけど。
餌釣りするなら、中途半端な釣り方は止めて、延竿で釣るべし。
これは本当に凄い。機会があれば私もやってみたい。
さて、3時が過ぎ、今回の調査捕獲の終了の合図。
これで終了です。
今回は、仲間全員、調査に無事貢献出来たようです。最高でした。
私の調査報告は、オス1尾。メス5尾。合計6尾。
しかし、悲しい出来事が最後にありました。
お持ち帰り用で、ストリンガー掛けてたオス鮭2尾が、
気がついたら、ストリンガーごと消えていました。。。。
魚には可哀相な事をしました。でも、鮭釣りでは、よく起きる出来事のようで、
当日、仲間のサラダさんも紐を切られ、逃げられたとの事。
記録的大物を捕獲し、管理小屋で検量予定のいわなさんも、あろうことか
紐を切られ、惜しくも検量が出来ずに涙を流す結果に。。。。
色々ありましたが、こうして、今年の鮭捕獲調査も無事終了。
お持ち帰り用の獲物6尾を〆、運搬します。凄い重量で二人で運んでます。
4年目で初めて調査報告が出来て、正直ホッとします。
来年はもう少し余裕が出来て、いい調査になるでしょう。
参加の皆さん、お疲れ様でした。
私は、三度のスレと、二度のラインブレイクの疲労で筋肉痛になりました。
暫く大人しくしています。
タックル
ロッド : ウエダSST-82H
リール : トーナメントZ-2500SC
ライン : ナイロン 12lb
ルアー : ピュア 13g オレンジ・G